
|
酸化亜鉛形避雷器は、世界に誇る日本生まれの技術です。 社会の発展に大きく貢献してきた電力事業の発展を影で支えているのは、 酸化亜鉛形避雷器の功績と言っても過言ではありません。 一般になじみの少ない、酸化亜鉛形避雷器ですが、少しでも理解して いただけますよう、簡単な技術解説を紹介します。 |
|
|
|
<原理> 従来の直列ギャップ付き避雷器に使用した炭化珪素(SiC)素子は、200μm前後の SiC粒子が立体的に接触したものを粘土などの磁器結合剤で焼成したもので、その 電圧−電流非直線性はSiC粒子の接触の性質に起因しています。 これに対して酸化亜鉛を主成分とする焼結体(ZnO素子)は5〜10μm程度のZnO 結晶微粒子を0.1μm程度の高抵抗層が取り囲み、この薄層を介してZnOの焼結粒子 が互いに接触しており、その非直線性はこの薄層境界に存在しています。 |
![]() |
|
ZnOの焼結粒子の比抵抗は境界層に比べてはるかに小さいので、ZnO素子に高電圧を
印加すると、そのほとんどが境界層にかかり、電流増倍現象が生じて電圧−電流
特性が理想的非直線性となります。(第1図) 第2図は酸化亜鉛素子(ZnO)と炭化珪素素子(SiC)の電圧−電流特性の比較ですが 炭化珪素素子の場合は、常規対地電圧において数100Aの電流が流れることになり、 連続使用すると熱破壊を生じるため、炭化珪素を使用した避雷器は、直列ギャップ により常規対地電圧を絶縁し電流が流れないようにする必要があります。 一方、酸化亜鉛素子は優れた非直線抵抗特性を有するので、常規対地電圧においても 数10μA程度の電流しか流れないため直列ギャップを必要としません。 |
![]() |
|
<特長>
(1) 無続流のため多重雷、多重サージに対する 動作責務特性は理想的です。 第3図は従来形直列ギャップ付き避雷器とソレスター(酸化亜鉛形避雷器)の 動作特性です。 従来形ギャップ付き避雷器はサージの侵入により、一度ギャップが 放電すると交流電圧零点近くまで電流を遮断できません。このサージ電流に引続いて 流れる電流を続流と称します。 一方、酸化亜鉛形避雷器は続流が流れないので原理的に続流遮断失敗が起こりません。 また、吸収エネルギーがギャップ付き避雷器に比べて大幅に少なく、動作責務に 大きな裕度があります。 |
(2) 経済的な耐汚損および活線洗浄形避雷器を 実現しました。 従来品は洗浄開始直後の不均一電位分布により、直列ギャップの放電電圧が低下し 焼損の原因になると考えられていますが、酸化亜鉛形避雷器では直列ギャップがない ため、特性要素の電位分布が変化しても全放電に至ることはありません。 実際の活線洗浄試験においても全く問題がないことが確認されています。 (3) 超超高圧,長距離ケーブル,直流送電系統用 等の重責務避雷器が容易に製作できます。 ZnO素子は制限電圧の温度特性がSiC素子と異なり正特性であるため、また並列配置が 可能なため重責務化が容易にできます。 (4) ギャップレスのため急しゅん波応答特性 は理想的です。 直列ギャップがないため急しゅんなサージ電圧にも放電遅れによる問題がなく、 機器絶縁に対する保護性能が一段と向上しました。 (5) 小形,軽量です。 ギャップレス化と特性要素の小形化で従来品と比べ、内部要素容積比が1/5〜1/10 です。このため変電設備の小形化、軽量化、複合化が図れ超縮小形変電設備避雷器 として最適です。 (6) 高信頼性です。 従来の避雷器では困難であった多重雷、多重サージ、汚損等に対する問題を解決し、 さらに構造が簡単なので高信頼性です。 |
|
|
|
|
当社のポリマー形避雷器 Pソレスター は
発変電用途として海外で4万相以上の実績がある
ABB社のポリマー技術を導入した高信頼性モールドタイプ
の避雷器です。
1.Pソレスター(モールドタイプ・ポリマー避雷器)の特長 (1) 小形軽量 ポリマー形避雷器は、FRP部材で機械強度を、ゴム材料で絶縁性能を分担しており、 磁器がいし形避雷器に比較して大幅な小形軽量化を実現しました。 (2) トータルコストダウン 小形軽量化に伴ない、架台や基礎工事の簡素化・コストダウンが可能となります。 (3) 優れた耐汚損性能 撥水性に優れたシリコーンゴムを採用したことにより耐汚損性能が向上しました。 (4) 優れた耐震性能 全機種(28kV〜275kV 超高圧系統)で、共振正弦3波 3m/s2 加振に対して安全率2以上を実現しました。 |
|
2.Pソレスターの構造 ポリマー形避雷器は、ポリマー碍管に素子ユニットを組込んだ「がい管タイプ」と 素子ユニットを金型にセットして一体成形する「モールドタイプ」に大別できます。 (1) ガスケットレス 素子ユニットをシリコーンゴムでダイレクトモールドしたもので、避雷器内部にゴムが充填され 空間がないため、気密性能や部分放電特性に優れています。 (2) 独自の放圧構造 側面が裂けて放圧するため放圧弁が不要(シンプル構造)となり、信頼性が 向上します。また、避雷器故障時の視認性が改善されます。 |
|
|
3.屋外絶縁用シリコーンゴムの特長 シリコーンゴムは,主鎖はシロキ酸結合(-Si-O-)側鎖はメチル基(CH3)の化学構造を 持つ有機高分子材料です。 結合波長ピークは290nmであり地上における紫外線領域より短いため、 他の高分子材料に比べて優れた耐候性(耐紫外線性)を有しています。 また,シリコーンゴムの特長である優れた耐熱性と耐低温特性により実使用におけ る種々の環境ストレスに強く長期間の屋外使用が可能となります。 さらにシリコーンゴムには長期間にわたり撥水性が保たれる特長がありますが、 これはシリコーンゴムに含まれる低分子量成分(Low Molecular Weight)が 外被表面に30年以上にわたり継続的にしみだすことによるもので、 シリコーンゴムは一時的に低下した撥水性が回復するという他のゴムにはない特長を有してます。 |
|

